新型コロナウイルスに感染し亡くなった方々へのお悔やみと感染者の皆様へのお見舞いを申し上げるとともに、感染された方々の1日も早いご回復をお祈りいたします。また、医療機関にお勤めの皆様やドラッグストアやスーパーなどで私たちの命や生活を支えてくださる皆様に感謝いたします。休業や廃業を余儀なくされたり職を失ってしまわれたり生活に苦しい変化があった皆様、心よりお見舞いを申し上げます。ほんの数ヶ月で、いろいろな意味で世界が激変してしまいました。

東京都など緊急事態宣言が解除されていなかった5道都県も解除となりました。緊急事態宣言解除=ウイルス消滅ではないので、ウイルスは、自分のそばに「ある」かもしれない。自分が感染し、誰かに感染することがあるかもしれない、という「そこに感染のリスクがあるのだ」ということを意識して社会活動や経済活動を行なっていく必要があります。

また、感染リスクがあるのは新型コロナウイルスに限らないので、インフルエンザやO-157などその他の感染症対策に未対応のNPOがありましたら、ぜひ、これを機会に感染リスクを総合的にとらえて、取り組んでください。


ここ数ヶ月、私たちは一市民としても、また市民活動に関わる者としても、とても歯がゆい思いをしていました。人と会えなかったり、経済的に困窮していく人が増えたり、子育て支援活動や子ども食堂やサロン活動など「誰かとつながる」活動ができなくなる、そしてそもそも事務所で集まることもできなくなるという日々でした。いつもなら「何気なく」その場で気づいた誰かの「いつもと違う」雰囲気や、作業しながらの何気ない雑談で気がまぎらわすなど、活動のなかの「何気ない瞬間」が減ってしまうと、相手の置かれている状況を的確に把握するのが難しくなります。

この時期を乗り越えるために意識したいこと。」という記事で、これからの困難な時期を乗り越えるために、市民活動に関わる者として意識したい以下の5つの点を挙げました。
  1. 個々人の置かれている環境や状況に気づき、配慮する社会をめざす。
  2. 「孤立化」を促進させず、人とのつながりを意識する
  3. 差別や偏見、憎悪を生み出したり広げたりすることに加担しない
  4. こういうときだからこそ、市民どうしの参加と協力と感謝を意識する
  5. 無理をしない
これらは、緊急事態宣言が解除されてからも変わりません。


予想される財政難の長期化
これから長期にわたって、非営利セクターの活動資金源が減少する可能性があります。経済的に企業も大きな打撃を受けました。政府も税金の使い道がコロナ対策に優先順位がおかれれば、NPOの活動への補助金や助成金にも優先順位の変更が生じる可能性があります。収入が減った企業や個人からの寄付も減れば、NPOヘの直接的な寄付だけでなく助成財団を通じた助成金等も総額が減るかもしれません。NPO主催のイベントへの参加者も減れば事業収入も減少します。しかし、たとえばフードバンクなど、生活困窮者を支援する活動などのニーズは増えます。このように、これからしばらくは、非営利組織の多くは経済的にとても厳しい時期を迎えることが予想されます。

利用できる助成金や補助金、融資にも限りはありますし、今後少なくとも数年間は、活動プログラムの組み直しを余儀なくされるNPOは多いと思います。

財政面だけではなく、活動プログラムそのものの見直しも必要です。人との接触が避けられない福祉活動や、各地のNPO支援センターなど、時間によっては多くの人たちが集まる場所での活動、また予算の関係から事務所のスペースが手狭なNPOなどで、感染リスクをいかに抑えられるか、これから試行錯誤になってくると思います。政策などに関するアピールのための集会のあり方も再調整が必要です。NPOのみなさんがこれからのどのように活動再開していくか、段階的なロードマップを作っていく必要があります。

内閣官房のウェブサイトなども参考にしながら、少し先を見据えていきましょう。


求められるのは「レジリエンス」と「シェアリング」
資金や活動の場、団体によってはボランティアやイベント等の活動参加者などが全体的に減少傾向にありながらも、NPOの活動へのニーズは高まるとしたら、NPOの運営のあり方として(今まで以上の)「レジリエンス」と「シェアリング」が求められてくると思います。

「レジリエンス」とは「復元力」や「回復力」などとも言われます。「困難な状況に適応して生き延びようとする力」のことです。個人では、ストレスや不安を心がポキンと折れずに生きようとする力をさします。組織においても、今回の感染症や災害、経済危機などの外的なリスクや不祥事や事故などの内的なリスクが発生してもまた復活する力を意味します。NPOもリスク・マネジメントの必要性はさることながら、今回のコロナ禍をのりきり活動していくためのしなやかさが必要です。

また、そのレジリエンスを高めるために、ぜひ、他の組織(NPOとは限らず)と運営上や活動に関する悩みや疑問、逆に上手く行った「コツ」などを、団体をこえた「シェアリング」(共有)をしていただきたいと思います。シェアリングは、1つの組織としてではなく活動分野や地域が共通するNPO全体の底上げにつながります。失敗事例は、自分の組織の中でさえそっとしておいてほしいものです。しかし、重大なミスや不祥事はなぜ起きたのか・どう防ぐのかを共通する活動分野やご近所の団体とともにシェアしたり、共同で研修を行なったりすることも検討してみてほしいと思います。

他の団体が成功した方法が自分の団体で成功するとは限りません。しかし、参考にはなりますし、このような協力やコミュニケーションが、コラボレーションに結びついてさらに地域で必要とされる活動が生まれたり、個人が参加する可能性が広がったりするかもしれません。「新型コロナウイルスは大変だったけど、ただでは起き上がらなかったよ」と、後で振り返られたらよいと思います。もし将来災害が起きた時や、ある団体が危機的な状況に直面した時にも他の団体との一緒に乗り越える素地が作られます。

1つの組織では無理でも複数の組織で少しでも広めの事務所を確保し、在宅勤務と組み合わせながら、事務所スペースを交代に使うという方法もあるかもしれません。(今の事務所の契約もありますから、すぐにできるわけではないと思いますが。)

「レジリエンス」と「シェアリング」は、「へこたれない力」と「おたがいさまの精神」とも言えます。一緒に乗り切りましょう。

ありていに言えば、私自身も今回のコロナ禍で在宅となり、仕事(収入)が減り、予定していた約束や参加イベントは中止や延期となり、だんだん、心のレジリエンスはかなり低くなりました。こういうときは「無理をしない」で、コツコツと資料整理をしたり、今まで苦手意識が強くて避けてきたテーマの勉強をしながら過ごしています。

新しい市民活動のかたちをぜひ、教えてください。他の団体に紹介してもいいよ、というNPOの方がいらしたら、ぜひお話をお聞かせください。もちろん「一緒に考えてほしい」というご依頼も、大歓迎です。ぜひ、電子メール をお寄せください。