新型コロナウイルス肺炎の日本国内での感染に関するニュースがメディアに出るたびに「もはや武漢とか中国への渡航歴とか、それらの地域と関連のある人との接触うんぬん」という話ではないという気持ちが日々強くなります。

ウイルスの潜伏期間でも感染力があり、感染していても無症状の人もいるとなると、感染者が増えて行く恐れは高いのではないでしょうか。東京などのラッシュアワーの公共交通機関では不安です。

メディアでは頻繁に「正しく恐れることが大切」と呼びかけています。リスク・マネジメントでもよく言われることですが、未知のことに遭遇しても「想定外だ」とパニックにならないよう、「日頃からの備え」が大切です。日頃の備えが適切であれば、今までの経験や知識を応用することで不測の事態にも対応できる部分が多くなります。

感染症は気合いで乗り切れるものではないので、情報収集をしながら、NPOの日々の活動に必要な判断をしていく必要があります。

この時期、イベントを予定しているNPOも多くあると思います。新型コロナウイルス肺炎の感染で、イベントが中止や変更になったり、在宅勤務や時差出勤などを採用したりというNPOも出てくると思います。私の知る範囲でも、スタッフに在宅勤務を希望するか呼びかけたり、開催が間近にせまっていたイベントを延期したところもあります。

みなさんの団体では、いかがでしょうか。

新型コロナウイルス肺炎に関する情報や対処に関する情報を収集するにあたり、たとえば:

東京都感染情報センター (インフルエンザなど他の感染症の情報もあります)
*インターネットの検索で、都道府県名と「感染症情報」と入力すると、それぞれの都道府県での感染症に関する情報を得られます。
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター (厚生労働省)
新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省) 
*このサイトで紹介されているように、新型コロナウイルス感染症の発生について、厚生労働省の電話相談窓口0120-565653(フリーダイヤル)受付時間:9時~21時(土日祝日も実施)聴覚障がいのある方など電話で相談が難しい方はFAX(03-3595-2756)でも受け付けているそうです。
「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」について (観光庁)


また、このような感染症が広がっているときに、
  • 継続すべき事業は何か
  • 中止・延期・縮小すべき事業は何か
  • これら事業の中止・延期・縮小などの変更により、フォローしなければいけない人(利用者など)へのフォローをどうするか(別手法での対応、他組織への協力依頼など)
  • 自分たちが継続すると決定した事業で、他組織からのフォローの依頼が入ったらどうするか
  • 感染症に関する情報収集の担当者は誰か
  • スタッフや利用者など、活動で接触がある人たちの健康状態やハイリスク者を把握する担当者・責任者は誰か
  • もし、スタッフや利用者、その家族などに感染者が出た場合の対応の担当者・責任者は誰か
  • 在宅勤務に切り替えられるスタッフへの対応
  • ボランティアへの対応
  • 活動の変更により生じる経済的損失への対応
  • 「通常運転」へいつ、どのように戻していくか
  • 上記以外にも必要なマネジメント上の議論・判断をどのように行なうか
といったことを検討・決定していく必要があります。このように、いつもとは異なる事態による自組織へのマイナスの影響を予測し、防止・対応していくことを「BCP(事業継続計画)」と言います。感染症に限らず、災害や、停電・断水、そして活動上の事故・トラブルなどに関しても、対策を講じましょう。

内容によっては、1つの組織では対応しきれないこともあります。他の組織との連携や、自治体との事前の取り決めなどが役立つこともあります。

感染症(インフルエンザが中心ですが)に関するBCPについては、たとえば

新型インフルエンザ発生に対するBCPの策定と運用について(PDF文書、厚生労働省)
社会福祉施設・事業所における新型インフルエンザ等発生時の業務継続ガイドライン(PDF文書、厚生労働省)
中小企業 BCP 策定運用指針を用いた 新型インフルエンザ対策のための 中小企業 BCP(事業継続計画)策定指針(PDF文書、中小企業庁)
感染症が流行したら… BCP(事業継続計画)作成してますか? (iチャンネル)
事業継続計画(BCP)策定セミナー研修資料(事業継続計画書ひな型)(農林水産省)(2020/03/01追加)

などのウェブサイトも参考になると思います。

ここでは関連するウェブサイトを網羅できるものでもありませんし、それぞれのリンク先の内容についてはみなさんでご判断いただきたいのですが、みなさんのそれぞれの組織で場当たり的な対応にならないよう、すでに他人事ではなくなってきているので、早急に協議し、決めていただきたいと思います。

さらに、ひとりひとりが判断できるようになることも必要です。「悪いから」と無理して勤務(ボランティアの場合は活動)しないことです。NPOの活動とは関係ないのですが、留学中に風邪を引いたので授業を休むと教員に連絡した時に「まわりにうつされても困るから来ないで」と返答されたときは傷つきましたが、あれが正解だったのだと思います(言い方はともかく)。

NPOの活動では人員配置が最初からカツカツなことが多いので、穴をあけたら大変という意識もありますし、つねにバックアップ体制が取れるわけでもありません。バックアップスタッフを1団体で常に配置することが難しいです。団体によって、文化も活動の進め方もいろいろ異なりますが、こういうときに組織間を動き回って自由に動ける助っ人がいたらいいのに・・・と、思ったりもします。

とはいえ、まずは「いまの環境」でベストを尽くして乗り切るしかないと思います。パニックにならずに対応してください。そして早く事態が収束してほしいものです。