みうらじゅんさんというと、世の中としては「ゆるキャラの生みの親」とか「サブカルチャーの人」というイメージがすぐにうかぶかもしれません。

私はみうらさんの「ネーミングセンス」をとても尊敬しています。「ゆるキャラ」もそうですが「不安タスティック」(不安な状況にあるときに不安を感じないように唱える言葉)や「カスハガ」(観光地の絵葉書セット「数合わせ」のために入れられた、もらって誰も喜ばない絵葉書)など、ダジャレや略語も駆使した言葉の組み合わせにいつも感動しています。

そのみうらじゅんさんの

「ない仕事」の作り方

という本を読みました(文藝春秋刊、2015年)

「ない仕事」と言っても、まやかしの仕事でお金をうみだそうという話ではありません。「まだ名称もない、誰も興味も示していないことに名前をつけて世に出す仕事」というような意味です。

これは、イノベーションと言っていいでしょう。みうらさんは、いつも「マイブーム」という「イノベーション」を起こしてきたのではないでしょうか。

さらに、この本のなかで紹介されている仏像の表現方法など、なかには人々が「触れてはいけない」と勝手に思い込んで自主規制しているものについて、(伝統を守るのはいいが)古い考えが邪魔して多くの人に伝わらないことがあると指摘しています。

そのような「高い敷居」や「暗黙の了解」を取り除きたいという思いが、みうらさんの「ない仕事」へのモチベーションにもなっているそうです。こういったことは、NPOがまさに社会で担ってきた大きな役割ではないかと思います。

  • 人権や環境、福祉、貧困など、海外の問題から都市部でうもれてしまっている問題まで、多くの人がその問題の存在に気づいていなかったり、あるいは困っている人がいるのに社会のセーフティネットが存在していなかったり機能していなかったりすることに世間の人たちに気づいてもらうこと。
  • あるいは中長期的な未来に起こりうる問題を回避するために今を生きている人々に行動してもらうこと。
  • 「意識高い系」の人たちがスタイルとして行動しているのではなく、ひとりひとりの問題として身近に感じてもらうこと。
  • 自分とは関係ないとしても、このままではいけないと思ってもらうこと。

これらを通じて、NPOが取り組む社会的な課題は一部のエリートや変わった人たちの世界だという世の中の認識を変えてもらい、多様な人々の公益のため、対等な人々の参加と協力への道を拓くことが、NPOの役割として大切だと思っています。

みうらじゅんさんとNPOに共通点を見出しました!と、私が熱く語ってもまわりから相手にされないかもしれないですね。。。

それでも「だから私はみうらさんのファンなんだ」と認識させてくれた、一冊でした。