岩手県陸前高田市と宮城県南三陸町に行ってきました。かさ上げが進んでいるのは見えるものの、先がまだまだ長いと思うと、苦しいです。

 

陸前高田市と南三陸町、どちらも前回訪れたのは3月でしたので、約3ヶ月ぶりの訪問です。

 

その話はまた別の機会に書くとして、今日は、陸前高田市の竹駒地区にある「さいとう製菓」店舗で購入したDVDのことを書きたいと思います。

 

「さいとう製菓」は「かもめの玉子」というお菓子で有名な製菓会社です。大きくて、食べるとほどよい甘さでおいしいのですが、食べる時には飲み物を用意しておきたいという逸品です。洋菓子もあり、ここのケーキも好きです。

 

このさいとう製菓は、本社が大船渡にありますが、2011年の東日本大震災で、本社は陸前高田市内の高田店含め、一部の店舗や工場が津波により流出してしまいました。しかし、震災直後から「かもめの玉子」の製造を再開され、今も一部仮店舗ながら、営業を続けていらっしゃいます。

 

震災当時、同社の専務でいらっしゃった齊藤賢治さんが、震災発生時と、高台に避難してからとった津波の映像、そして他の方の撮った大船渡や陸前高田の映像や写真を収めたDVDが店舗で売られていたので購入しました。

 

DVDは、まず東日本大震災が発生した時から始まります。さいとう製菓の事務室の窓から外、そして事務室内が映され、激しい揺れのなか机やカウンターキャビネットを抑えている社員に

「逃げろ!津波来る!」

と言う(おそらく)専務、その言葉の意味を理解しようとしているのかショック状態にあるのか呆然として聞いている女性社員・・・。まだ揺れが収まっていないなかで社員の方々に繰り返し「津波」と伝えていらっしゃることに驚きました。この事務室は、大船渡湾のすぐそばにありました。

 

その後、場面は高台に移ったところから動画は再開します。画面には1519分の文字。眼下には大船渡線の線路、そして家屋や商店などの建物、そして大船渡湾の一部が見えます。大津波警報のアナウンスが流れるなか、

 

「あぁ、来てしまった」

 

の声。そしてその後は、湾に停められていた自動車や置かれていたものが流れ始めます。だんだん重いもの、そしてそのうち建物が流れ始めるようすに、あらためて「津波は水の壁」という言葉を思い出しながら、声がでませんでした。

 

このDVDに収められている場所は、数日前に私も通って来た場所です。県道は今では何もなかったかのように車の往来もありますが、津波が来る前は多くの建物がいかに密集していたのか、どれだけ人々の日々の営みがあったのか、そしてそれが一瞬にして奪われたのかを教えてくれました。

 

DVDのパッケージ(中)には「後世に語り継ぐ義務があると思い、制作しました。」と書かれています。

 

齊藤賢治さんは、震災後に「大船渡津波伝承館」を作られました。

 

辛い体験を語り継いでくださるのは、他の人に同じ体験・想いをしてほしくないから。そのお気持ちを、私たちはムダにしてはいけないと、あらためて思います。